【実質特急廃止!?】京王線の特急はなぜ千歳烏山に停車するようになったのかを考察

鉄道

こんにちは!

ゆうひ
ゆうひ
準特急で飛田給に臨時停車するときにがっかりする

筆者ゆうひでございます!

2022年春に京王線の大々的なダイヤ改正を実施するという発表が12/10にありました。
 
その内容は大まかなに言うと京王線独自の種別である準特急の廃止と特急の停車駅の変更でした。
 
準特急が廃止されるのに伴って特急の停車駅が準特急の停車駅と同じく笹塚、千歳烏山に(高尾線内は各駅停車)停車するようになるという衝撃のダイヤ改正でした!
 
このニュースを聞いたらてぇへんだ!てぇへんだ!と思わず叫びちらしてしまいました(笑)
 
なぜ京王の上位種別である特急の停車駅が変わってしまったのか
考察していきましょう。
 

京王線における千歳烏山の立ち位置

特急の停車駅はだいたいは市の中心駅や主要な街へアクセスする路線の乗換駅であることが特急停車駅の条件みたいなものでした。
 
2021年現在の特急停車駅(京王線)
明大前 明治大学和泉キャンパスの最寄り駅 吉祥寺、渋谷に行く井の頭線の乗り換え駅
調布 調布市の主要駅 相模原線乗り換え駅
府中 府中市の主要駅
分倍河原 立川や川崎を結ぶ南武線の乗り換え駅
聖蹟桜ヶ丘 多摩市の主要駅 京王の本社がある
高幡不動 多摩モノレール乗り換え駅、多摩動物公園需要アリ
北野 高尾線乗り換え駅
 
と2021年現在の特急停車駅は
市の中心駅か乗り換え駅であることが分かりますね
 
一方特急の新たな停車駅である
笹塚は都営新宿線に直通する電車が始発なことが多く乗り換え需要があるのでまだ許せますが
千歳烏山は市の中心駅でもないですし、乗換駅でもない京王線単独駅です。
 
高架化で2面4線となる予定ですが今現在では2面2線で駅舎も他の特急駅と比較しするとこじんまりとしているので特急停車駅!言うと ん?という立ち位置の駅です。
 
千歳烏山は元々 2015年のダイヤ改正前は準特急も通過しており、急行までの種別が止まる駅でした。
 
筆者ゆうひは長年京王線沿線に住んでましたが大学生になるまで1度も降りたことのない駅でした。
 

特急停車駅増によるデメリット

2022年の春から京王線の特急は
新宿を出ると笹塚、明大前、千歳烏山、調布、府中、分倍河原、聖蹟桜ヶ丘、高幡不動、北野、京王八王子となります。
 
高尾線内は各駅停車となるので無料で乗車できる最上位種別でこれはいかがなものか?と疑問に思ってしまいますね。
 
ちなみに2013年春以前の特急停車駅は
新宿を出ると、明大前、調布、府中、聖蹟桜ヶ丘、高幡不動、京王八王子だったのでこの頃に比べると停車駅が4駅増えていますね
 

2013年春以前の京王線の停車駅(京王れーるランドより)
 
停車駅が増えるデメリットは大きく3つで
 
・車内混雑が予想される
・多摩地区の人たちの乗車時間増加
・高尾山に行くのに時間がかかる
 
です。
 
多摩地区に住んでいる人は特急や準特急に乗り、23区内の世田谷などに住んでいる人は急行に乗車するいわゆる遠近分離ができていましたが停車駅が笹塚、千歳烏山に増えるとなると近くに住んでる人も特急に乗り込んでしまい遠近分離が崩れてしまいます。
 
そして京王線は並行する中央線と輸送のシェア争いをしていますが停車駅を増やすということは速達性のシェア争いは白旗をあげたとみていいでしょう。
 
特急が高尾線内各駅停車となるので高尾山に行くお客さんにも不便になってしまいます。
 
それでも速達性を失われても運賃面では新宿〜高尾山口の運賃は400円にも満たないのでJRの中央線よりも優位です。
 
このダイヤ改正で利用率がどうなるのか気になるところです。
 

京王が千歳烏山停車駅にした理由

それではなぜ千歳烏山が新たに特急停車駅になったのかを考察してみます。
 
京王ではなぜ停車駅を増やしたのかを言及していないのであくまで個人の推測となります。
 
千歳烏山の利用者が多い
先ほど千歳烏山は特急停車駅になるほど格がない!とつらつらと書きましたが千歳烏山の1日の乗降客数は61,848人(2020年度)となっており
京王線全線の中で7番目に多い乗降客数です。(同じく特急停車駅となった笹塚より若干多いです。)
 
千歳烏山より乗降客数が多かった駅はターミナル駅の新宿、渋谷、吉祥寺や調布、府中、分倍河原の6駅でした。
 
逆にそれ以外の駅は千歳烏山よりも乗降客数が少ないことが統計上明らかになっています。
 
特急停車駅で1番利用者が少ないのは高尾線のめじろ台駅(10,482人 2020年度)で2番目は元々特急通過駅の北野駅(16,924人 2020年度)となっています。
 
Wikipediaで過去の利用者数を見てみると平均で75,000人ほどの利用者がいるみたいでしたので昔から千歳烏山は利用者数が多い駅で時代の流れと共に順当にランクアップしていったと考えられます。
 
過密ダイヤで現行特急と現行準特急の差があまりないため
京王線おなじみの明大前手前のダンゴ運転が有名です。
 
朝ラッシュであぁなるのは仕方の無いことですが京王線では日中だろうが夜だろうが停車駅でもないところで減速して走行するのが十八番です。
 
そんな京王クオリティなんで特急と準特急で所要時間にあまり差がないのです。
 
日中ダイヤで
特急は新宿〜京王八王子を約40分
準特急は新宿〜京王八王子を約42分で結びます。
2駅も停車駅が違うのに所要時間はあまり変わりませんね
 
さらに18時台の時刻を見てみると
同じく新宿〜京王八王子で
特急が約44分
準特急が約45分
ここまでくると差なんてありませんね

特急は停車駅は少なく、すぐに先行の各停に追いついてしまうため、要所要所で減速をしています。

そして各停に追いつかないように最近では調布や府中で1分半くらい長めに停車する傾向があります。

なので特急を現行の準特急と同じ停車駅にしたところで所要時間が変わらないので停めてしまえ!といった感じで笹塚と千歳烏山に停車させたのだと思います。

京王ライナーと区別させるため
2018年のダイヤ改正にて有料座席指定列車の京王ライナーが誕生しました。

座席指定料金は440円で八王子方面・橋本方面 と各1時間に1本ずつ平日は19時台、土休日は17時台から運行されています。

京王線系統の京王ライナーの停車駅は新宿を出ると府中まで駅に停車せず、後は特急の停車駅と同じです。

新宿の次は府中だから特急より早く行けるだろうなと思いがちです
実は京王ライナーは日中の特急と所要時間がほとんど変わらないのです。

先述した過密ダイヤによりいくら通過駅が多くても前の電車に近づいて減速しなければなりません。

特急が停車する明大前、調布に通過すると言っても
明大前では運転停車し、調布ではゆっくりと通過するので速達面では実質特急と変わりありません。

座って帰れるが売りの京王ライナーですが新宿から乗る人にとっては1、2本か待てば座席指定料金のいらない特急や準特急に座れてしまうので京王ライナーの意義とは?と考えたくなるような始末です。

なので準特急を廃止し特急が現行の準特急と同じ停車駅にすることによって相対的に京王ライナーを速達性の面で優位に立たせました

 
そんな京王ライナー誘導ダイヤが出来上がってしまったわけですが
筆者ゆうひは京王ライナーは不要派なので特急の停車駅が増えようが京王ライナーには乗りません。

このダイヤ改正で速達性を求めて乗客が京王ライナーに流れるか見ものです。

ジョーカー事件
 
2021年10月31日のハロウィンの日に起こった京王線刺傷事件
事件が起こったのは上り特急の布田~国領走行中に起こりました。
上り特急ですので調布を出てすぐに事件が起き、国領駅で緊急停車を余儀なくされました。
 
調布を出ると明大前まで停車しないので電車が緊急停車しない限り乗客には逃げ場のない状態になります。
調布~明大前は特に11駅通過で10分以上ノンストップで走り続けるので犯行をするのに格好の条件だったと言えます。

車内に巡回する警備員を配置すれば犯行の抑止力になりますが混雑している特急に警備員を1人入れるのは難しいと考えられます。

なので10分前後逃げ場のない状態を作らないために調布~明大前の中間に位置する千歳烏山に特急を停めて防犯対策をしたのではないかと推測してみます。

高架化工事での暫定的な停車
笹塚〜仙川で現在、高架化工事が実施されています。
この高架化工事大規模な工事で明大前と千歳烏山を2面2線から2面4線にアップデートして京王の高速化を図る計画です。

京王線を何度も乗っている方はご存知だと思いますが高架化工事が行われる杉並・世田谷の区間は沿線スレスレに住宅が立ち並んでおり、一体どうやってここから高架にするんだ?と思うくらい狭いです。

高架にする用地を確保するので暫定的に仮線を設ける必要があります。
京王の連続立体交差事業の工事の順序を参照してみると
退避可能な桜上水駅では下り・上りでそれぞれ高架化させるときに一時的に退避ができない1方向1線の構造になります。

桜上水は新宿を出て一番最初の退避可能駅なのでその設備がなくなるとなると八幡山まで退避可能駅がなくなるということになります。

この状況で現行の特急を走らせるとドン詰まりで減速しっぱなしになるので少しでも詰まらないように千歳烏山、笹塚に停車させて間隔を開けさせるため事前にダイヤを変更したのかもしれません。

 
なので高架化が完了するとまた現行の特急の停車駅に戻す可能性もあるかもしれません。

しかし一度停車駅を増やしてしまうと同じ種別で停車駅を減らすことは難しいので新種別が誕生するのかもしれませんね。

千歳烏山にお偉いさんが住んでいる 最寄りの住民を説得させるため

新幹線駅はよく政治家の力によって地元に新幹線駅を開業させたという逸話を聞きますが、千歳烏山も京王のお偉いさんが住んでいて停車駅にしたという説も考えられます。

お偉いさんが住んでいる説は信ぴょう性が薄いですが高架化工事を反対している最寄りの住民を納得させるために千歳烏山を特急停車駅にしたという噂もありました。

高架工事で沿線住民の反対もあり用地買収で苦労しているようです

 
そこで
「千歳烏山とめっから用地渡してね!」
という作戦に出たのではないか?と考えられます。
 
仮にこの作戦が本当だとしたら吉と凶と出るか行方を見守っていきたいです。
 
用地買収はほぼ終わっているようです。


京王線の特急がなぜ千歳烏山に停車するようになったかを考察しました。

停車駅の増加は京王に限らずどこの路線もあることなので駅の需要によって変わっていくのは致し方のないことです。

実際、まだ新ダイヤは発表されていないのでこのダイヤ改正がどう転ぶのかはまだ京王しか知らないので我々は首を長くして待ってるしかないですね

 

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コメント

  1. いも より:

    はじめまして

    記事のうち明らかに間違ってる点をいくつか

    ・千歳烏山駅の改札は2箇所あって、中寄り6号車付近にも改札があります。実は京王線で複数の改札口がある駅って珍しいんですよ(新宿を除く調布以東では初台、烏山、調布の3駅のみ)

    ・ジョーカー事件は全く関係ないです。タイミングを早めた説はありますが、特急と準特急の統合は規定事項でした

    ・政治駅説について
    千歳烏山は用地買収終わってます。駅前のスーパーも撤退は決まってるそうですが、なかなか移設先が決まらないそうです

    • ゆうひ より:

      いもさん
      コメント&間違いのご指摘ありがとうございます。
      改札口の件につきましては修正させていただきます。
      用地買収はすでに終わっているとは驚きです。
      毎日利用していますが気が付かないものですね…

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