【真の日本一最長距離を走行していた路線バス】 音威子府~稚内を結んでいた天北宗谷岬線

バス

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日本一長い距離を走る路線バスは奈良県にある近鉄大和八木駅から和歌山県の新宮を結ぶ八木新宮線が知られています。
八木新宮線の走行距離は約167kmですが、
実は以前に日本一走行距離の長い八木新宮線をも凌ぐ走行距離を走るバスが他にもありました。

それは北海道の音威子府と稚内を結ぶ、
天北宗谷岬線です。

走行距離は八木新宮線より約4km長い、約171kmありました。

なぜ?八木新宮線より長い路線バスがあって、陰に隠れてしまっているのか

それを説明していきたいと思います。

日本最北の長距離バスだった 天北宗谷岬線

天北宗谷岬線
北海道で一番人口が少ない村で有名な音威子府と
日本最北の街の稚内を結ぶ路線バスでした。
(2024年現在では稚内~浜頓別を結んでいます)

赤:旧・天北宗谷岬線のルート
黄:宗谷本線のルート

経路としては音威子府を出ると、中頓別、浜頓別と鉄道の宗谷本線とは逆方向のオホーツク海側に向かって進みます。

浜頓別を過ぎるとオホーツク海に沿って鬼志別を経由し、宗谷岬そして稚内へと至ります。

なぜこんなに長い距離の路線バスが存在しているのかと言うと元々、天北宗谷岬線のルートにほぼ沿うような形で天北線という鉄道路線が存在していました。

音威子府〜南稚内を結ぶ路線で宗谷本線のバイパスの役割を果たす路線でした。

1989年に天北線が廃止されて、代替バスとして誕生したのが天北宗谷岬線のルーツです。

実際の走行距離が八木新宮線より長いのにどうして日本一を名乗れなかったのか
と言うと
運行系統上は音威子府〜鬼志別、鬼志別〜稚内と別れていますので厳密に言うと日本一の走行距離を走る路線ではないらしかったです。

もっとも八木新宮線より走行距離は長いですが、乗車時間は八木新宮線に比べると2時間短い4時間半で走破していました。

距離はこちらが日本一ですが、乗車時間は八木新宮線が日本一みたいです。

余談としてこの天北宗谷岬線よりさらに長い約220kmの距離を走る沿岸バスの
快速幌延旭川線が運行していました。

こちらも留萌で系統が別れていたので日本一の長距離バスとは名乗れなかったみたいです。

天北宗谷岬線に乗車してみた

今回は音威子府から稚内に向かう下りルートで天北宗谷岬線に乗車しようと思います。


ということで音威子府駅に来ました。


音威子府駅に宗谷バスの切符売り場がかつてありましたのでここで乗車券を購入できました。

宗谷バスはICカードでバスに乗るという概念がないのでバス車内だと現金精算になって
めんどくさいので事前に乗車券を買いました。


Paypayが利用できました。 

音威子府から稚内までのバスの運賃は
4,070円でした。(2022年当時の値段)
八木新宮線の5,350円(2022年当時の値段)より安いです。

鉄道の代替バスなので安く設定されていたのでしょうか?


宗谷本線で音威子府〜稚内を見てみると
普通運賃だと負けますが、特急料金を含めるとこちらの方が安かったです。

音威子府〜稚内を結ぶ便は1日2便で
11時20分と16時05分で日中の特急と接続はとられています。
宗谷本線の本数がかなり少ないので、稚内までの移動手段としても
利用出来そうでした。

音威子府バス停
フォントがレトロ

発車する直前になってバスが来ました。

一般的な路線バスで170kmを走行します。
運用上は鬼志別で系統が別れていますが
行先表示は終点の稚内駅前ターミナルとなっています。


音威子府 11時20分に発車


乗車人数は筆者ゆうひを含めて5人でした。

バスは宗谷本線と早速別れ、国道275号線を走行します。

清々しいほどに何もないです。
途中に人が住んでいないのでバス停も旧・天北線の駅があったところにバス停が多く設置されています。
音威子府を出て20分経ってようやく1つ目のバス停を通過しました。

後、山奥なので電波が届かないのはザラです。

民家が現れました。 小頓別の街です。

街に入ると1人、2人くらい乗ってきました。

中頓別 12時13分着
10分停車します。
このように主要なバスターミナルで長時間停車していたのでトイレ休憩できるようになっていました。

30分ちょっと走り
浜頓別 12時49分着
ここでも10分停車していました。

稚内から来た音威子府行きとのツーショット


内陸部をひた走ったのでここからはオホーツク海沿いを走行します。


ただ天北宗谷岬線の弱点として、車窓がずっと同じで単調すぎたというのがありました。

景色が単調なのは北海道あるあるですが、
いくら進んでも進んでも同じような景色なのである程度は退屈しました。
乗る時は酔わない程度に暇つぶしの何かを持っていった方がいいと乗ったとき思いました

オホーツク海が見えて来た。
稚内市街手前まで進行方向右手には海が広がります。

鬼志別 13時53分着
17分停車

鬼志別で15分強停車します。


この停車時間を使って鬼志別バスターミナル内にある天北線資料室を見てみます。


天北線の駅名標や当時の写真などが展示されています。
やや長い停車時間の暇を潰すのに最適ですね


バスは運行上、鬼志別で系統が変わりますがバスも運転手さんも変わらずそのままの状態で再び稚内へと向かいます。

鬼志別バスターミナルはやや内陸よりにあるので数km同じ道を2度通ることになります。

結構な距離を往復するので、ここは天北宗谷岬線の面白いところかもしれません。

鬼志別から稚内までは旧天北線のルートではなく、海岸線に沿って宗谷岬を目指します。
(元々は天北線に沿って運行していましたが)

日本最北端の宗谷岬

音威子府から乗っていたおっちゃんが宗谷岬で降りてしまったので、最初から乗っているのは筆者ゆうひだけどなりました。

そして宗谷岬からは観光客がどっと押し寄せてバス車内は今までとうってかわり満員となりました。

この状態で終点・稚内を目指します。

宗谷岬まで来ると、稚内近いなぁと思いがちですが宗谷岬から稚内まで30km近く距離があり、時間にして約1時間ほどかかります。

終点 稚内駅前バスターミナル 15時46分着

音威子府を出発して約4時間半で稚内に到着しました。

運賃表
始発の音威子府からだと先述した通り、4,070円になります。
降りる際は乗車券をポイっと運賃箱に入れれば良いだけだったので楽ちんでした。

稚内駅前バスターミナルに停車中のバス

稚内駅前
最北の街へと来ました。

デマンドバスで旧・天北宗谷岬線のルートを辿ることはできます

音威子府から稚内まで約170kmを走破してきました。
真の日本一走行距離が長いバスでしたが、
2023年10月に音威子府〜浜頓別が宗谷バスからデマンド型交通に置き換わりました。
宗谷バス一本で音威子府~稚内に行くことはできなくなってしまいましたが、デマンドバス→宗谷バスで移動することは可能です。
宗谷バス時代より、若干 音威子府~稚内の運賃が安くなったようです。

旧天北線を辿りながらゆったりと最北の地に行ってみたい方は乗車してみてください。

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